住宅ローンの借り方~融資までの流れと注意すべきポイントは?

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住宅ローンの借り方~融資までの流れと注意すべきポイントは?

マイホームの購入資金を、住宅ローンで賄おうと考えている方は多いと思います。

住宅ローンは、自己資金が少額でも何千万円もする家の購入を手助けしてくれる強い味方です。
しかし、誰もが使えるものではなく、金融機関による「審査」をクリアすることが利用の大前提となります。

ここでは、住宅ローンの審査の流れを中心に、融資までの流れと注意すべきポイントをお伝えします。

  • 1.住宅ローンの融資実行までの流れ

    最初に、住宅ローンの融資額が実行されるまでの流れについて、簡単に紹介しましょう。

    1)金融機関に事前審査を申し込む
    2)審査結果の通知(申し込みから1日~1週間)
    3)工事請負契約(不動産売買契約)を結ぶ
    4)金融機関に本審査を申し込む
    5)審査結果の通知(申し込みから23週間)
    6)住宅ローンの契約
    7)融資実行

    以上がおおまかな流れですが、ここで大切なポイントは金融機関に申し込むタイミングです。

    住宅ローンの審査は事前審査と本審査の2段階となっており、それぞれに申し込む必要があります。
    申し込むタイミングは、以下を参考にしてください。


    【事前審査に申し込むタイミング】

    ・注文住宅は、施工会社から建築費用の概算が出るまでに申し込む
    ・建売住宅は、物件を決定するまでに申し込む


    【本審査に申し込むタイミング】


    ・注文住宅は、施工会社と工事請負契約を結んだ後に申し込む
    ・建売住宅は、不動産売買契約を結んだ後に申し込む


    事前審査は、建築費用がわかる前や物件を決定する前なら、いつでも申し込めます。
    希望額を借り入れできるか確認する上でも、早めに行動すると良いでしょう。

    また、本審査は施工会社や不動産会社と契約を結んだら
    速やかに申し込むことがポイントです。
    とりわけ建売住宅を購入される方は、本審査の申込から融資実行までに2~3週間はかかりますから、物件を早く引渡ししてもらうためにもできるだけ早く申し込むようにしましょう。

  • 2.事前審査と本審査は何が違う?

    ところで、金融機関の審査はなぜ「事前審査」と「本審査」の2段階構成になっているのでしょうか。
    それは、審査の目的がそれぞれで異なるからです。


    事前審査の主な目的

    事前審査の主な目的は、「申込者の返済能力を確認する」こと。
    収入や年齢、借入希望額などの条件から、完済まで滞ることなく返済できるかを金融機関がチェックするのが、事前審査の大きな目的です。


    本審査の主な目的


    一方、本審査は「物件の担保力や契約者の健康状態を確認する」ことが主目的になります。
    万一、契約者が住宅ローンを返済できなくなった場合、金融機関は物件を売却するなど残債を回収するために動き出します。
    その際、物件の評価額が残債よりも安ければ金融機関は損失を出しますから、これを防ぐためにローンの保証会社と一緒に物件の担保力をチェックするのが、本審査の目的の一つです。

    また、利用される方の多くが団体信用生命保険に加入します。
    この保険は、契約者が亡くなったり重度の障害を負ったりして住宅ローンの返済ができなくなったときに、保険会社が残債を肩代わりしてくれるというものです。
    住宅ローンの本審査では、契約者が団体信用生命保険に加入できる健康状態であるかも保険会社がチェックします。

    このように、事前審査と本審査はチェックされる目的が異なるだけでなく、本審査では保証会社や保険会社なども審査に加わるなどチェック機関も異なるのです。

  • 3.住宅ローンの事前審査(仮審査)のポイント

    住宅ローンの事前審査について、審査のポイントや必要書類などを詳しくみていきましょう。


    事前審査の審査基準は?


    先ほどお伝えしたように、住宅ローン申込者の返済能力をチェックするのが、事前審査の主目的です。
    金融機関では、申込者の現在の年齢と完済時の年齢、収入(年収)、勤続年数、返済負担率、ほかのローンの借入状況などの項目から、借入希望額を返済できるかを確認します。

    たとえば年齢でみると、完済時の年齢が定年前であることがポイントの一つ。
    完済時まで安定した収入があることも審査基準の重要な要素になりますから、65歳までに返済できるよう返済期間や借入額を調整しましょう。

    また、勤続年数も安定した収入があることを確認する上で審査の大切なポイントです。
    一般的には3年以上だと通りやすいといわれますが、勤続年数を問わない住宅ローン商品もありますので、転職や起業して間もない方はフラット35などの勤続年数を求めない住宅ローンを選ぶと良いでしょう。


    おおまかな借入可能額を知るには?


    現在の収入で、どれくらいの融資が受けられるか気になっている方も多いと思います。
    借入可能額を求める上で、一つの目安になるのが「返済負担率」です。

    返済負担率とは、年間の返済額を収入で割った割合のこと。
    年収400万円の方が、年間100万円を返済する場合、
    返済負担率は100万円÷400万円=25%となります。
    金融機関では、この返済負担率も審査基準の一つとしており、25%以下であれば審査にクリアしやすいといわれます。

    おおまかに計算すると、年収400万円の方が返済負担率25%(年間返済額100万円)、返済期間35年で借り入れた場合、100万円×35年=3,500万円が借入可能額となります。
    ただし、この額には利息も含まれますから、実際にはこれよりも少なくなることにご注意ください。

    なお、金融機関のホームページでも現在の年収からいくら借り入れできるかシミュレーションしてくれるところもありますので、借入を検討している金融機関があれば、活用してみましょう。


    事前審査で必要な書類は?

    一般的に、事前審査で必要とされる書類は以下の通りです。

    金融機関によっても異なるので、事前に確認の上で準備しましょう。

    ・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
    ・収入が確認できる書類(源泉徴収票、確定申告書など)
    ・課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)

    なお最近では、インターネットで事前審査をしている金融機関も増えました。
    なかには、書類を提出しなくても審査結果がわかるところもあります。

  • 4.事前審査に通ったら施工会社と契約

    金融機関による事前審査に通ったら、施工会社と工事請負契約(建売住宅の場合は、不動産会社と不動産売買契約)を結びます。

    契約の際には、施工会社または不動産会社に「手付金」を支払うのが通例です。
    金額は会社によって異なりますが、相場は物件価格の510%くらいですから、あらかじめ用意しておきましょう。

    ここで注意したいポイントが、その後の本審査で落ちたときに手付金が戻ってこない場合があること。
    これは契約書の内容によります。
    契約書に手付金が戻ってくる特約などが記載されているか、記載されていない場合は施工会社または不動産会社に確認することが大切です。

  • 5.住宅ローンの本審査のポイント

    施工会社と工事請負契約(または不動産会社と不動産売買契約)を結んだら、金融機関に本審査を申し込みます。
    本審査のポイントや必要書類など、詳しく見ていきましょう。


    本審査の審査基準は?


    本審査でも、事前審査と同様に申込者の年齢や収入などが改めてチェックされますが、本審査の主目的は「物件の担保力や契約者の健康状態の確認」です。

    物件については、ローン保証会社も一緒にチェックします。
    現在、建築されている新築住宅であれば、ほぼ審査をクリアできますが、耐震基準を満たしていないなど違法性のある建物や築年数が古くて担保力が乏しいとみなされた場合は、審査に落ちることがあります。

    また、契約者の健康状態については団体信用生命保険に加入できるか確認することが目的で、保険会社が用意した問診に答える程度で終わります。
    ただし、一部の会社では健康診断の結果が必要なところもありますから、事前に用意する書類を確認しておくと安心でしょう。


    本審査で必要な書類は?


    本審査で必要とされる書類は、以下の通りです。
    これも金融機関によっても異なるため、事前に確認しましょう。
    事前審査と重なる書類もあるので、あらかじめ2通用意しておくと手間を省けます。

    ・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
    ・健康保険証
    ・収入が確認できる書類(源泉徴収票、確定申告書など)
    ・課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)
    ・事業税納税証明書(自営業者のみ)
    ・住民票(家族全員が記載されたもの)
    ・印鑑証明書
    ・預金通帳のコピー
    ・不動産売買契約または工事請負契約のコピー
    ・物件概要がわかる資料(建築図面やパンフレット、建築確認済証など)

  • 6.本審査に通ったら住宅ローンを契約

    本審査に通れば、金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。
    契約の際には、団体信用生命保険や火災保険の契約も一緒に結ぶのが通例です。
    内容を確認後、各保険も契約しましょう。

    なお、複数の金融機関に住宅ローンの申し込みをしている場合、利用しない金融機関にはキャンセルを申し入れる必要があります。
    金銭消費貸借契約を結んだ後にキャンセルをすると解約手数料が発生しますので、どの金融機関を選ぶか十分に検討した上で契約を結ぶことも重要なポイントです。

  • 7.住宅ローンの融資実行

    契約を締結したら、いよいよ住宅ローンの融資実行です。
    金融機関の担当者、施工会社の担当者、司法書士などが一堂に集まり、融資内容を確認した上で、抵当権の設定を含めた登記登録の手続きを行います。
    その後、金融機関の担当者に融資の実行を依頼し、手付金を除く建築費用を清算して手続きは完了です。

    後日、司法書士から登記完了の書類が送られてきますので、大切に保管しておきましょう。

  • 8.まとめ

    住宅ローンを利用するには、おおまかな借入可能額をシミュレーションしたり、必要書類をそろえたりと、事前の準備をしっかり行うことも大切です。

    初めて利用される方だと、何かと不安な点もあるかと思いますが、リューケンハイムでは資金計画を含めた相談にも応じていますので、お気軽にお問い合わせください。
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