安全な土地の選び方は?土地選びの方法や地名を詳しく解説!
安全な土地の選び方は?土地選びの方法や地名を詳しく解説!
住宅の購入時に土地の選び方について疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
我々が住んでいる日本は古来より地震や自然災害の発生件数が非常に多いです。そのため、住宅の土地選びは慎重になりますよね。
住宅の購入は安い買い物ではありません。長く住み続けるためにも、歴史やハザードマップを利用して安全な家づくりを計画しましょう。
そこで、本記事では住宅購入時の土地選び方を詳しく解説します。
住宅の土地選びでお悩みの方はご一読ください。
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1.災害大国日本
※調査期間:2021年10月19日
近年、各地で大規模な自然災害が度々ニュースで取り上げられています。しかし、こうした災害のリスクを調べずに住宅を購入した方の割合は7割を超えるという調査結果が出ました。
自然災害はいつなんどき発生するか予測できません。ただ、土地は過去に発生した災害を覚えています。土地は長い年月をかけて形成されるため、その特性から災害時のリスクをある程度予想できます。
まずは、土地の特性から見ていきましょう。
地盤の特性
土地選びで地盤は非常に重要です。地盤が弱いと、建築後に家が傾いたり自然災害に耐えきれず倒壊する恐れがあります。土地を選ぶ際は、初めに地盤の硬さを確認してください。それぞれの地盤の特徴を下記にまとめました。地盤
特徴
硬質地盤
・岩盤や砂や小石などの砂礫を多く含む頑丈な地盤
・基本的に地盤改良工事をする必要がない
・低地よりも地震や津波をはじめとして、大雨のなどの自然災害の影響を受けにくい軟弱地盤
・軟らかい粘土や細かい砂でできているため地盤の強度が低い
・沼や池などの埋立地や土地が水分を多く含んでいる可能性がある
・家が徐々に傾く現象の「不同沈下」が起こりやすい
・地盤改良工事が必要なので工事費用が増える
土地を選ぶ際は、「硬質地盤」で液状化が起きにくい土地を選びましょう。 -
2.土地の探し方
次に土地の探し方を詳しく解説します。主な方法を以下にまとめました。
・古地図
・閉鎖謄本
・ハザードマップ
・地名
それぞれの方法について見ていきましょう。
古地図
土地を探す際は、古地図の活用をおすすめします。古地図を活用する理由は、新旧の地図を比較して地形の変化を確認するためです。東京都を例に挙げると、江戸時代は現在の皇居付近まで海が広がっていました。
そのため、埋立地が多く、江東区、墨田区、葛飾区、荒川区、大田区、江戸川区など東京都の右側を中心に海抜0メートル地帯が広がっています。こうした埋立地によって形成された低地は洪水や津波の水害を受けやすく、東日本大震災では広範囲で液状化現象が発生しました。
海岸線や河川の変化を古地図で確認して、自然災害の危険性がある場所をピックアップしておきましょう。古地図は、国土交通省のWebサイトやお住まいの図書館などで閲覧可能です。
古地図と現在の地図を見比べる際は、高度経済成長期の1970年前後を確認すると良いでしょう。高度経済成長期の1970年前後を境に日本各地で大規模な工事お行われたため、現在の地形と変化が分かりやすいからです。
閉鎖謄本
閉鎖謄本は、不動産の過去の登記や所有者の情報を確認できます。過去に「合筆によって地番がなくなったような場合」「建物が取り壊されて滅失した場合」「災害や火災によって焼失や流出した場合」は、閉鎖登記簿から詳細を確認しましょう。
過去に発生した何らかの自然災害によって不動産が焼失や流出している場合は、今後も自然災害が発生する可能性が高いです。このように、閉鎖謄本を確認することで、その土地の安全性や災害発生のリスクを探ることができます。
閉鎖謄本の取得方法や保存期間を以下にまとめました。取得方法
・法務局で窓口で申請
・法務局のホームページから郵送にて申請閉鎖謄本の保存期間
・土地閉鎖登記簿:50年間
・建物閉鎖登記簿:30年間
※1988年(昭和63年)7月1日以前に閉鎖された土地・建物の閉 鎖登記簿は保存期間が20年のため注意費用
土地は1筆、建物は1個ごとに600円の手数料が必要
申請書の記入事項
・申請人又はその代表者(当該代表者が法人である場合にはそ の職務を行うべき者。登記事項要約書の項において同じ。) もしくは代理人の氏名
・請求の目的
・請求する書面の枚数
・手数料の額
・年月日
・登記所の表示
ハザードマップハザードマップとは、自然災害が発生した際の被災予想範囲や避難場所・避難経路を記載した地図です。2011年に発生した「東日本大震災」や2020年に発生した「令和2年7月豪雨」でハザードマップの重要性が再認識されました。
特に、近年相次いで発生している自然災害では、ハザードマップで災害のリスクが高かった地域に被災が集中しています。これにより、2020年8月28日から宅地建物取引業法(宅建業法)施行規則が改定され、不動産事業者は取引時にハザードマップを用いて水害リスクの説明が義務付けられました。
ただ、実際の自然災害が発生すると、ハザードマップの被災予想を超えるケースがあります。2019年の台風19号発生時に氾濫した河川のうち半数以上の43河川がハザードマップに記載されていなかったという事例もあります。他にも、下水道管や側溝、排水路などから水が溢れる内水(ないすい)の氾濫被害によって、被災予想範囲外でも浸水被害が発生しました。
このように、ハザードマップの信頼度は100%ではありません。しかし、ハザードマップで災害の危険度が高いと記している場所は、今後高確率で災害が発生するでしょう。マップ上で赤く記された土地の購入は避けて、住宅の購入を検討してください。
以下にハザードマップの種類をまとめました。ハザードマップの種類
・河川浸水洪水
・内水
・ため池
・土砂災害
・地震災害
・火山
・高潮
・津波利用方法
・各地方自治体のホームページ
・国土交通省のポータルサイト
地名
実は、地名にも過去の災害の手がかりが隠されています。近年、都市開発や新興分譲地で「○○ヶ丘」「○○台」などの地名を見る機会が増えたと感じる方も多いでしょう。これらの地名は「ひかり」「希望」など明るさをイメージさせますが、古来からあった地名ではないケースがほとんどです。
東京都でも有数の繁華街・渋谷も、実は水害が多いです。「渋」は『行き詰まる』などの意味、『谷』は渓谷を意味しており、周囲よりも低い谷が広がっています。現在の渋谷駅付は渋谷川の合流地点のため、街中には坂が多く点在します。そのため、ゲリラ豪雨などが発生すると、渋谷駅周辺を中心に冠水被害が発生しました。
他にも、東日本大震災では、大津波が沿岸部を襲い多くの犠牲者が出ました。東北地方には『カマ』が付く地名が多いです。これは古語の『噛マ』が変化したとされ、津波によって湾曲型に侵食された地形を表しています。
宮城県の「塩竈」「釜石」を中心に、『カマ』が付く地域で大きな被害が確認されました。また、関東地方では有名な観光地「鎌倉」も、1923年に発生した関東大震災で10mに迫る大津波が記録されています。
このように、地名には過去の災害を紐解く鍵が多く残っています。土地を購入する際は、古地図と併せて確認しましょう。災害地名の特徴を下記にまとめたので、参考にしてみてください。川の合流地、低湿地
【アイ】【アカ】【イケ】【カワ】【クサ】【サワ】【シシ】【シバ】【シマ】【シュク】【スガ・スゲ】【セン】【ヌマ】【マタ】【ミゾ】【ヤ】【ヤス】【ワダ】
例:落合、赤羽、池尻、川口、沼袋、渋谷、岸和田など埋立地、土砂堆積地
【ウメ】【ウマ】
例:梅田、馬込など川の決壊、侵食
【カメ】【カマ】【ツル】【フクロ】【フカ】【リュウ】
例:亀戸、深川、龍ヶ崎など津波、高潮
【ウラ】【エ】【オナ】【ツ】【ハマ】【カマ】
例:浦安、女川、小名浜、塩竈、釜石など谷、崖、窪地、傾斜地
【オギ】【カキ】【クボ】【クラ】【コマ】【サギ】【サクラ】【ジャ】【ナダ】
【ノゲ】【ハタ】【ヤ】【キソ】
例:荻窪、柿の木坂、桜上水、灘、南木曽、蛇落地悪谷(広島)など崩壊
【ウシ】【カニ】【クル】【クレ】【サル】【モリ】【ツバキ】【ノゲ】
例:東久留米、上野毛、蟹ケ谷など -
3.まとめ
今回は土地の選び方を紹介しました。近年、各地で大規模な自然災害が発生しています。住宅の購入時は、こうしたリスクを含めた土地探しを行いましょう。
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