住宅の建築で行う地鎮祭の意味は?地鎮祭の準備や費用、流れを詳しく解説!

施工の流れ・手順

住宅の建築で行う地鎮祭の意味は?地鎮祭の準備や費用、流れを詳しく解説!

住宅の購入時に実施する地鎮祭について疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

日本では、住宅の建築時に神主さんを招いて地鎮祭を行うケースが多いです。しかし、地鎮祭を実施する理由やマナーなど、詳しく分からないですよね。

地鎮祭とは、土木工事や住宅などの建築工事を行う際に、工事の安全祈願や家内安全を祈る儀式です。現在は地鎮祭も多様化され、宗教上の関係や費用面から実施しないという選択も可能です。

そこで、本記事では住宅購入時の地鎮祭について詳しく解説します。

地鎮祭で疑問を抱えている方はご一読ください。

  • 1.地鎮祭とは



    地鎮祭は、土木工事や住宅などの建築工事を行う際に、工事の安全祈願や家内安全を祈る儀式です。日本には、古くから八百万の神々を信仰する文化が根付いています。土地の神様に住居の建築を許可してもらうというのが地鎮祭の起源です。

    地鎮祭の歴史は古く、日本最古の歴史書「日本書紀」には、持統天皇が在位した690年~697年頃から儀式が行われていたと記載があります。また、弥生時代の高床式住居跡から勾玉が出土しているため、地鎮祭の原型となる儀式は弥生時代から存在していたのかもしれません。

    では、日本で住居を建築する場合は、必ず地鎮祭を実施しなければいけないと考える方もいるでしょう。実は、地鎮祭は強制ではありません。金銭面や何らかの理由で地鎮祭を実施できない場合は、工事を行う施工会社に相談してみてください。


    上棟式(じょうとうしき)との違い

    住居の建築で行う儀式は、地鎮祭の他に上棟式があります。「棟上げ(むねあげ)」「建前(たてまえ)」などとも呼ばれています。一括りにされやすい地鎮祭と上棟式の相違点は、儀式を行うタイミングです。地鎮祭は住居の建築を始める前に実施し、上棟式は建物の骨格が屋根まで完成した段階で儀式を行います。

    上棟式を実施する目的は、工事が無事に進んでいることや今後も滞りなく工事が進むことを祈るためです。元々は地鎮祭と同様に工事や家内の安全を祈願する神事でしたが、近年は工事を行う職人を労う意味合いが強くなりました。

    地域によって異なりますが、お餅やお金を撒くケースもあるようです。

  • 2.地鎮祭の準備


    次に地鎮祭を行うために必要な準備を解説します。地鎮祭を行う際は、以下の準備が必要です。

    ・神主さんへの依頼
    ・お供え物
    ・初穂料(玉串料、祈祷料)
    ・盃(さかずき)
    ・半紙

    地鎮祭の準備は、工事の施工会社側が準備してくれるものと、自身で準備しなければいけないものがあります。最近は全ての準備を代行してくれる施工会社もありますが、念のため何が必要になるので覚えておきましょう。


    神主さんへの依頼

    初めに、神主さんへ地鎮祭の依頼を行いましょう。工事のスケジュールから地鎮祭の日取りを逆算して、神主さんに伝えてください。日取りの設定や神主さんへの依頼は、施工会社が担当してくれるケースが多いです。費用を抑えて地鎮祭を実施したい方は、ご自身での依頼を検討してください。

    また、日取りは「大安」「友引」「先勝」など、一般的に演技が良いとされる曜日を選ぶ方が多いです。


    お供え物

    地鎮祭では、祭壇へのお供え物を準備する必要があります。こちらは、依頼先の施工会社によって異なりますが、住宅を購入した方が準備するケースが多いです。お供え物を準備する際は、以下を参考にしてみてください。

    ・お米(一合くらい)
    ・塩(一合くらい)
    ・水
    ・お酒(のし付き)
    ・海のもの【魚】鯛【乾物類】するめ、昆布、ノリなど
    ・山のもの【野菜】トマト、ナス、サツマイモ、ニンジン、キャベツ、大根などから3品
    ・山のもの【果物】バナナ、リンゴ、梨、オレンジ、イチゴ、パイナップルなどから3品


    初穂料(玉串料、祈祷料)

    初穂料とは、神主さんへ支払う謝礼です。金額については、神社ごとに異なるため、地鎮祭を依頼する際に確認してください。一般的な住居の初穂料の相場は、2万円〜5万円とされています。

    初穂料を神主さんへ渡す際は、のし袋を使用しましょう。のし袋には「初穂料」「御初穂料」と記載してください。


    盃(さかずき)

    盃は、地鎮祭の最後に御神酒を飲む際に使用します。地鎮祭に参加した方全員に御神酒を配るため、参加者と同様の数を準備してください。盃や升が準備できない場合は、紙コップでも問題ありません。


    半紙

    半紙は、お供え物の下に敷きます。基本的に枚数は20枚とされていますが、地鎮祭を依頼するタイミングで神社や施工会社に確認しましょう。

  • 3.地鎮祭の流れ



    ここでは、地鎮祭の一般的な流れについて解説します。地鎮祭は、以下12の儀式を実施します。

    ①修祓の儀(しゅばつのぎ)
    地鎮祭を行うために参列者・お供え物を祓い清めます。

    ②降神の儀(こうしんのぎ)
    神主さんが祭壇に立てた神籬に神様を招く儀式です。参列者は起立して、頭を下げ、神様をお迎えします。お迎えしたら、一度着席します。

    ③献饌(けんせん)
    神様に祭壇のお供え物を食べていただく儀式です。神主さんが奉献酒、お水、お供え物を神様に差し上げます。

    ④祝詞奏上(のりとそうじょう)
    氏神様に新築の安全祈願を行います。参列者は起立して、頭を下げ祈願します。

    ⑤四方祓(しほうはらい)
    神主さんが敷地の四隅と中央を清めます。住宅の購入者も同行します。

    ⑥地鎮の儀(じちんのぎ)
    祭壇の横に盛った砂山で行う儀式です。

    刈り初め:設計者が鎌で笹や草を刈る
    穿ち初め:施主が鋤で砂をならす
    土均:施工業者が鋤で砂をならす

    上記の3つの儀式を行います。

    ⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
    工事の完了を祈願して、その心を神様に捧げる儀式です。順番に玉串を祭壇に置き、祭壇に置く際は、茎を祭壇に向けて両手で丁寧に置いてください。

    ⑧撤饌(てっせん)
    神主さんがお酒と水の入った器に蓋をして、お供え物を下げます。献饌と逆の作法で進めます。

    ⑨昇神の儀(しょうじんのぎ)
    神様が元いた場所へ帰る儀式です。神主さんの指示に従って、神様をお見送りします。

    ⑩神酒拝戴(しんしゅはいたい)
    御神酒をいただく儀式です。事前に準備した升やコップを参加者全員に渡して、御神酒を配ります。御神酒が全員に行き渡ると、神主さんが乾杯の音頭をかけます。

    ⑪神官退下
    神主さんが帰られます。

    ⑫直会(なおらい)
    参加者と宴会をする場合と施主の挨拶のみで終わる場合があります。地域や大規模な工事が行われた現場などは、ホテルやレストランで宴会を行うケースもあるようです。

    地鎮祭の終了後は、お供え物を土地の四方の土の上に撒きます。海の幸、山の幸などは施主が頂いて帰ります。地鎮祭の時間は30〜40分程度を想定しておくと良いでしょう。

    また、地鎮祭後はご近所への挨拶回りも行いましょう。建築中は騒音などで周囲に迷惑がかかります。そのため、挨拶回りで迷惑がかかることを謝罪しておくと、良好なご近所付き合いができるでしょう。タオルのような粗品があると尚良いです。

  • 4.地鎮祭のマナー



    地鎮祭当日のマナーが気になるという方もいるでしょう。服装は、スーツなど正装がベストとされていますが、現在はカジュアルな服装でも問題ありません。大規模な工事などの地鎮祭に参加する際は、正装で参加した方が良いでしょう。地鎮祭は基本的に屋外で実施されるので、季節な天候に合わせて服装を決めてください。

    他には地鎮祭のマナーとして、挨拶回りがあります。挨拶回りは、地鎮祭の終了後に行いましょう。工事で周囲に騒音や振動で迷惑がかかることを伝えておくと、クレームを防ぎ周囲との関係性が悪化することもありません。

    地鎮祭を依頼した神主さんへの謝礼は、神社によって異なります。目安は2万円〜5万円ですが、詳しい金額は地鎮祭を依頼したタイミングで確認してみてください。

  • 5.地鎮祭の費用


    地鎮祭でかかる費用は、神主さんへ謝礼として支払う「初穂料」「奉献酒代」「お供え物」の3つです。金額の目安は、初穂料が2万円〜5万円、奉献酒代が5000円〜1万円、お供え物や参加者への出し物で2万円〜3万円です。あくまで概算ですが、地鎮祭では最大で10万円程度の費用が必要になります。

  • 6.まとめ

    今回は住宅の建築で行う儀式の地鎮祭について解説しました。地鎮祭は、工事の無事や家内安全を祈願する目的で実施されます。住宅の建築が始まると、設計者や工事関係者顔を合わせる機会が少ないです。お互いが気持ちよく家づくりを進めるためにも、こうした儀式を実施していかがでしょうか。

    リューケンハイムでは、家づくりをトータルでサポートしています。土地探しから建築後のアフターフォローまで、お気軽にご相談ください。現在は「オンライン相談」も行なっておりますので、ぜひご活用ください。

    オンライン相談はこちら