住宅の最適な日当たりの方角は?それぞれの方角のメリット・デメリットを詳しく解説

住宅全般

住宅の最適な日当たりの方角は?それぞれの方角のメリット・デメリットを詳しく解説

良好な住環境を実現するために、住宅の設計において日当たりは欠かせない要素の一つです。適切な日射量を取り入れることで、室内の空気の流れや湿度、温度をコントロールし、快適な居住空間を作ることができるでしょう。

また、十分な自然光が入ることで、明るく開放的な雰囲気を醸し出し、精神的な健康にも良い影響を与えます。一方で、日射量が不足すると、湿気やカビの発生、健康被害などの問題が生じます。

そのため、建築家や設計者は、住宅の立地や配置、窓やドアの位置などを工夫することで、最適な日当たり環境を創り出すことが必要です。二世帯住宅を購入する際は、生活環境に合わせて住宅の日当たりを考えましょう。

そこで、本記事では住宅の日当たりについて詳しく解説します。

  • 1.日当たりによる住宅への影響



    住宅の最適な日当たりの方角については、多くの建築家や設計者が研究してきました。一般的には、北側には道路や隣家があるため、窓を設けるケースは少なく、南側に窓を多く配置する場合が多いです。

    南向きに窓を設けることで、冬場の日射量を取り入れ、室内を暖かく保つことができます。また、南側に窓を設けることで、夏場の直射日光を遮りつつ、適度な日射量を取り入れることができるでしょう。

    一方で、西側に窓を設けると、夏場には直射日光が入り込んで室内が暑くなり、冬場には寒風が入り込んで暖房効率が悪くなるという問題があります。東側に窓を設ける場合は、朝の日差しを取り入れることができますが、夕方には日が傾いて室内が暗くなります。

    このように、日当たりの方角によって住宅へ与える影響は異なります。また、住宅の立地条件や周囲の環境によっても最適な日当たりの方角が変わってくるでしょう。

    そのため、住宅の日当たりを選ぶ際は、環境条件や生活環境に合わせて、最適な日当たりの方角を検討し、設計する必要があります。

  • 2.北向き住宅のメリット・デメリット


    北向きの住宅には、以下のメリット・デメリットがあります。


    メリット

    デメリット

    ●直射日光が少なく、室内の気温上昇が緩やか
    ●エアコンや扇風機など冷房器具の使用頻度が
     低くなる
    ●室内の明るさが一定に保てる

    ●日射量が少ない
    ●冬季は暖房器具の使用頻度が高くなる
    ●室内の湿度が高くなりやすい
    ●洗濯物が乾きにくい


    まず、北向きの住宅は、夏場に直射日光が入り込みにくく、室内の気温上昇が緩やかです。そのため、エアコンや扇風機の使用頻度が低くなり、省エネ効果が期待できます。また、夏場には太陽が高い位置にあるため、屋根や壁の日射量が少なくなり、熱の蓄積が少なくなるというメリットもあります。

    さらに、北向きの窓から入る自然光は、直射日光に比べて柔らかく、室内の明るさを一定に保つことができます。これにより、照明器具の使用頻度が減り、電気代の節約にもつながるでしょう。

    一方で、北向きの住宅にはデメリットもあります。冬季には、南向きに比べて日射量が少ないため、室内の気温が低くなることです。そのため、暖房器具の使用頻度が高くなり、光熱費がかかる可能性があります。また、室内の湿度も高くなりやすく、カビの発生などの問題が生じることがあります。

    さらに、北向きの住宅は、直射日光が入り込まないため、洗濯物を干すなどの日光利用には不向きです。また、植物の育成などにも影響が出る場合があります。ただし、北向きの住宅でも、適切な断熱や換気などの対策を行うことで、快適な居住環境を実現することが可能です。

  • 3.東向き住宅のメリット・デメリット



    東向きの住宅には、以下のメリット・デメリットがあります。

    メリット

    デメリット

    ●日中の日当たりが良い
    ●朝日が入るため、体内時計が整う
    ●室内の気温が上がりすぎない

    ●南向きの住宅と比較して、冬季は射量が少ない
    ●暖房器具の使用頻度が高くなる
    ●朝日が差し込むため、人によっては遮光カーテンやブラインドが必要

    まず、朝日を浴びることで体内時計が整い、目覚めが良くなるという効果があります。また、夏場には南向きの住宅と比較して、直射日光が入りにくいため、室内の気温が上がりすぎず過ごしやすいです。さらに、東向きの窓からは、朝の光が差し込むため、室内が明るくなり、自然光による照明の代替として使用できます。

    また、夕方には日が傾くため、直射日光が入り込みにくく、室内が涼しく保たれるというメリットもあります。

    一方で、東向きの住宅にはデメリットもあります。冬場には、南向きに比べて日射量が少ないため、室内が寒くなりやすいです。そのため、暖房器具の使用頻度が高くなり、光熱費がかかる可能性があります。また、東向きの窓からは、日光が差し込むため、カーテンやブラインドなどで遮光しなければならない場合があります。

  • 4.西向き住宅のメリット・デメリット



    西向きの住宅には、以下のメリット・デメリットがあります。

    メリット

    デメリット

    ●午後に強い日差しが差し込むため、夕方以降も室内が暖かい
    ●日中は自然光を照明として利用できる

    ●冬季には、東向きや南向きと比較して日射量が少ない
    ●夏場は気温調整で冷房器具の使用頻度が増える
    ●強い日差しが差し込むため、室内の家具や床材が色あせや変色する場合がある

    西向きの住宅は、夕方に光が差し込むため、夕方以降も室内が暖かいです。西向きの窓からは、夕日が差し込んで室内が明るくなり、自然光による照明の代替として使用できます。

    さらに、西向きの住宅は、日中には強い日差しが入るため、室内の照明をつける必要がなく節電が可能です。また、夏場には、日差しを遮るカーテンやブラインドを使用することで、室内を涼しく保つことができます。

    一方で、西向きの住宅にはデメリットもあります。冬季には、東向きや南向きと比較して日射量が少ないため、室内が寒くなりやすいです。そのため、暖房器具の使用頻度が高くなり、光熱費がかかる可能性があります。

    また、西向きの住宅は、朝は日差しが少なく、夕方になると強い日差しが入り込むため、夏場には適切な対策を行わなければ、室内の温度が上がりやすいです。そのため、エアコンの使用頻度が高くなり、光熱費がかかる可能性があるので注意しましょう。

    さらに、強い日差しが差し込むため、室内の家具や床材が色あせや変色する場合もあります。

  • 5.南向き住宅のメリット・デメリット


    南向きの住宅には、以下のメリット・デメリットがあります。

    メリット

    デメリット

    ●他の方角と比較して、日照時間が多い
    ●日中に明るく、室内が暖かい
    ●冬場の暖房器具の使用頻度が低く、
     光熱費を抑えることができる

    ●日差しが強いため、室内の家具や 床材が色あせや変色することがある
    ●夏場は強い日差しが差し込むため、冷房器具の使用頻度が高くなる

    一般的に、最も日照時間が多いとされるのが、南向きの住宅です。

    まず、南向きの住宅には、日当たりがよく、室内が明るく、暖かくなるというメリットがあります。他の方角と比較して、冬場の暖房器具の使用頻度が低く、光熱費を抑えられます。また、日中に室内が暖かくなるため、洗濯物を干すのに最適です。さらに、南向きの住宅には、太陽光発電システムを設置すると、効率良く電力を自家発電することができるでしょう。

    さらに、南向きの住宅は、季節によって異なる日射量を取り入れることができます。夏場には、強い日差しを遮る外部シャッターやカーテンを使用することで、室内を涼しく保つことができます。一方、冬場には、日射を取り込んで室内を暖めることができます。

    一方で、南向きの住宅にはデメリットもあります。まず、南向きの窓からの日差しが強いため、室内の家具や床材が色あせや変色することがあります。夏場には、強い日差しが差し込むため、エアコンの使用頻度が高くなり、光熱費がかかる可能性があるので注意してください。

    また、南向きの住宅は、太陽光を取り込むための大きな窓が必要なため、防犯性に問題がある場合があります。そのため、防犯対策をしっかりと施す必要があります。

  • 6.まとめ

    住宅の日当たりは、快適な生活や健康に大きな影響を与える重要な要素です。そのため、適切な日当たりを考慮した住宅を選ぶ必要があります。

    方角別に見ると、日照時間が最も多い方角は、南向きの住宅です。ただし、必ずしも南向きの住宅が、全ての人に適しているとは言えません。

    今回紹介したメリットやデメリットを踏まえて、住宅の立地条件や周囲の環境、生活環境などを総合的に考慮しながら、最適な日当たりの住宅を選びましょう。


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